日本きりえ協会 きりえの表現の基本理念

日本きりえ協会 きりえ表現の基本理念

 中国の剪紙をはじめとして、紙を切って造形表現する美術は、アジア、ヨーロッパ、ラテン諸国、アメリカなど、世界の国々・地域で独自性をもって、また、関連を持ちながら継承されてきています。

 わが国では今でこそ珍しくなりましたが、神仏の信仰と結びつく形で、古来より、様々な形式の切り紙がその役割を担ってきました。

 戦後も剪紙や伝承切切り紙などを学ぶ形で、切り紙・剪紙・切り絵などの名称で生活の中でその造形を楽しむ人が全国的におり、近年になってそうした人々は相当数存在するようになりました。

 そうした人々の中で、こうした切り紙の造形美術を水彩画や油絵など、他の絵画と同じ、美術の新しいジャンルとして確立を目指す趣旨をもって、全国より作家・愛好家・研究者らが集まり、1978年6月25日に「日本きりえ協会」を設立しました。美術ジャンル名を「きりえ(KIRIE)」として、毎年開催する「日本きりえ美術展」を柱にきりえの美術としての価値を探求し、世界の切り紙美術とも交流しつつ、作品の質的向上と広がりを目指すこととなりました。

 きりえは個々人の価値観や主体性を尊重するとともに、表現の多様性を励ましつつ、美術としての価値観を不断に追及しています。